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高橋 正光; 林 由紀雄; 水木 純一郎; 田村 和久*; 近藤 敏啓*; 猶原 秀夫*; 魚崎 浩平*
Surface Science, 461(1-3), p.213 - 218, 2000/08
被引用回数:71 パーセンタイル:91.97(Chemistry, Physical)Au(111)上に塩化パラジウム酸溶液から電析したPd単原子層の構造を表面X線回折法で解析した。鏡面反射条件と非鏡面反射条件の両方で、逆格子ロッドに沿った強度分布を測定することにより、面内方向と表面垂直方向についての構造情報を得ることができた。その結果によれば、Au(111)電極表面では、Pdは基板原子の積層秩序を引き継いだ、平坦な原子層を形成する。このようなPd層が安定に存在する理由としては、溶液中のイオンとの相互作用や、電析中のAu表面の原子配列の影響が考えられる。Pd/Au(111)界面におけるPd-Au間の結合長は、それぞれのバルク中でのPdとAuの原子半径の和にたいへん近い。
井岡 郁夫; 小貫 薫; 二川 正敏; 栗木 良郎*; 名越 正泰*; 中島 隼人; 清水 三郎
硫酸と工業, 52(4), p.1 - 6, 1999/04
95wt%硫酸及び50wt%硫酸の沸騰環境におけるFe-Si合金の腐食挙動を調べた。合金の耐食性は、硫酸組成に応じて特定のSi含有量にて急変した。合金を不動態化するために必要な臨界組成は、95wt%硫酸では9-10%Si,50wt%硫酸では12-15%Siの範囲に存在する。耐食性合金表面に形成される酸化皮膜をオージェ分光及びX線回折により調べた結果、皮膜は非晶質のSiOから成り、酸化性の95wt%硫酸中で生成する場合はSを含み、還元性の50wt%硫酸中で生成する場合はSを含まないことが判明した。皮膜成長速度は、母材のSi含有量と硫酸濃度に大きく依存した。
鈴木 建次; 赤堀 光雄; 柴 是行
粉体および粉末治金, 29(5), p.187 - 190, 1982/00
Al-U合金箔から反跳した核分裂片でThO燃料核を照射するために、ゾル・ゲル法により製造した結晶粒径の異なるThO燃料核の半球状研磨面に合金箔を密着した状態でJRR-4において熱中性子照射した。マイクロX線回析装置を用いて照射前後及び等時焼鈍における試料の格子定数を測定した。核分裂照射量の増加に伴っていずれの試料とも格子定数の変化率は約110核分裂片・cm近傍から直線的に増加し、約110核分裂片・cm以上で飽和する。これらの傾向は極大値を有する二酸化ウランペレットよりむしろウランとトリウムの混合酸化物(Th7UO)と同じである。結晶粒径の小さい試料における飽和値と変化率曲線の勾配は結晶粒径の大きい試料よりも小さい。試料の格子定数は何れも焼鈍温度の増加に伴って減少し、その変化量は約400Cから大きくなる。結晶粒径の小さい試料は約600Cで完全に回復するけれども結晶粒径の大きい試料は最高加熱温度の1100Cでも完全な回復は認められなかった。
福島 奨
JAERI-M 8718, 21 Pages, 1980/03
U-Pu混合炭化物系燃料物質の粉末は空気中においてきわめて不安定である。これらの粉末を空気雰囲気中で変質なくデイフラクトメータによってX線回析するための試料作成法を新たに考案した。本法では不活性ガス雰囲気グローブボックス中で粉末試料を少量のエポキシ系樹脂と混合し、これをX線試料板にモールドする。本法で作成した試料は次のような優れた性能を有している。(1)試料の量が少くてよい(0.2g以下)。(2)空気雰囲気中グローブボックス内のX線回析においてもU-Pu混合炭化物粉末は変質しない。(3)Puが飛散しないのでグローブボックス内のPu汚染が小さい。(4)X線回析の測定精度が高い。
本橋 治彦; 古田 照夫
JAERI-M 8649, 28 Pages, 1980/01
軽水炉の冷却材喪失事故(LOCA)条件において被覆の破裂と水蒸気酸化によって起るジルカロイ被覆の内面酸化挙動を明らかにする目的で、滞留水蒸気あるいは水蒸気・水素混合雰囲気中でジルカロイ-4管の高温酸化を行った。そして主として被覆管表面に形成した酸化膜をX線回析法によって調べた。この結果2つの異なった酸化物が観察され、1つは単斜晶ZrOのみで形成され、他方は単斜晶と正方晶ZrOの混合物から形成されている。また酸化膜とジルカロイ金属相の界面では準安定相といわれるZrOがZrOの結晶系によらずほとんど形成されていることがわかった。水素吸収量の多いジルカロイ管では金属相中に8-ZrH.5の水素化物が析出しいていることが認められた。
楢本 洋
Journal of Crystal Growth, 44(4), p.475 - 482, 1978/00
被引用回数:2Nb単結晶を様々な条件下で作成し、その結晶性をX線回折顕微法によって観察した。得られた結果は以下の通りである。(1)結晶径の大小によって転位配列に顕著な差が見られた。(2)edge dipoleや110dislocationが観察された。(3)引上速度を0.15mm/minから0.20mm/minにすると、無転位から有転位状態に変化し、その時112Burgers vectorを持つsegmentが最初発生し、後に長い111dislocationが発生する。又111軸を持つ転位のloopやhelixも観察された。(1)、(2)の結果は、育成中の熱応力の存在と関係している。(3)の結果は、転位の発生に対するvacancyの役割の重要さを示すもので、金属結晶では、はじめて、vacancy condensationが実際の結晶成長の過程で生ずる事を実験的に示したものである。